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銚子オオクワガタ倶楽部

情報は2006年度作成時点の情報です。最新情報はBLOGにてお届けいたします。

【割り出し】

画像は卵で取りだしプリンカップで孵化させたところで孵化直後の画像です。孵化したばかりの幼虫の上には、いままで入っていた殻が見られます。たまたま卵で取り出しましたが一般には幼虫で取り出した方がリスクは少ないです。産卵材からメスを外して3週間もすると保管してある産卵材からは幼虫の食痕が吹き出して来たことと思います。いよいよ材の割り出しが近づいています。一般的には27度程度で材を保管していると2週間ほどで卵が孵化して初令幼虫が産まれてくるようです。私のところでは水分や産卵時期の個体差がありますのでだいたい3週間を目安にしています。4週間で割り出すと二令が混じりますが、それでもかまいません。菌糸ボトル調達の都合など割り出し時期を延ばしたいときは保管温度を少し下げることで調整することも可能です。1ヶ月してまだ卵の場合は無精卵の可能性が高いのでその卵は諦めましょう。また、卵で取り出して管理しても孵化率が低いためにできるだけ卵では取り出さないで材のなかで孵化させるように心がけて下さい。

初令幼虫は気がつかない内に傷を付けていたり、生まれつき病弱だったりする幼虫がいますので1本目のボトルに入れてから死亡してしまう幼虫が出てきます。だいたい5〜10パーセントくらい死亡するかもしれません。幼虫の取り出しは少しでも早く菌床に入れたい気持ちもわかりますが、初令初期で取り出す必要も特になく慌てないで初令中期か後期で全く問題ありません。個人的には2令でも特に問題を感じたことはありません。


【菌糸ビン飼育1本目】

・標準飼育期間7月〜9月
・飼育温度25−26度

材から幼虫を傷つけないように取りだしたら、菌糸ボトルに投入します。ボトルには穴をあけてその中に入れるわけですが、穴はボトルの側面や中心部に幼虫がすっぽりはいる穴をあけてその中に幼虫を入れます。1本目はだいたい800ccのボトルに入れることが多いですが、この状態で25度〜26度の温度帯で3ヶ月あまり動かさないようにそっとしておきます。

 


【菌糸ビン飼育2本目】標準飼育期間10月から4月

3ヶ月もすると食痕がかなり進んで来ているボトルとさほどでもないボトルに分かれてくると思います。食痕のあまり進んでいないボトルはメスの可能性が高いです。しかし、居食いと言ってあまり移動したり多くの良を食べていないオス幼虫も存在します。いくら居食いといっても全く食痕が出ないと言ったことはごくまれなことなのでその食痕の出かたで見分けます。まだまだ食べていない菌糸が多く残るメスの場合は交換するのももったいないのでもう一月くらいそのまま同じボトルで飼育していきます。オスのように食い上がってきているメスの場合14グラムから15グラムほどあるような大型のメスであることが多いのでその場合はボトルを交換することになります。オスはだいたい3ヶ月から3ヶ月半ですべてのボトルを交換することになります。小さい幼虫で20グラム、大きな幼虫だと30グラムにも達していますから幼虫を傷つけないように慎重に取りだし次のボトルに入れて下さい。メスは800ccオスは1400ccのボトルが良いでしょう。1400ccのボトルが間に合わず不足してしまった場合23−24グラム程度の幼虫であれば800ccのボトルでもなんとか大丈夫です。ボトルに入れるときは幼虫が『C』の字になってすっぽりと入る大きさの大判焼きのような平べったい穴をあけてその中に横たわらせます。その後幼虫はボトルの中に潜る訳ですが、潜ったときに書き出されてくるオガがちょうどあけた穴の上部で水平になるようでしたらピッタリの大きさです。

さて、ここからが一番重要な部分に移っていきます。

1本目は25度程度で3ヶ月飼育してきました。そしてこの二本目は少し温度を下げていきます。10月から12月までの温度設定ですが、10月と11月は24度で飼育します。12月に入ったら幼虫に冬を感じさせる準備に入っていきます。少しずつさらに温度を下げていくことになりますが、12月末に20度を切るように12月初旬から1週間に1度ずつ温度を下げていきます。年が明けて1月には18度から19度の間で推移するように温度調整を行いこれを2月中旬までキープします。そして2月中旬より今度は蛹化の為の準備として少しずつ温度を上げて幼虫に春の到来を感じさせる必要があります。2月中旬から1週間に2度上げて2月末に22度まで温度を上げていきます。この時点で初令から8ヶ月経過していますので蛹化のスイッチは入ってしまってもかまいません。その後も週に2度程度温度を上げて3月中旬に26度から27度程度まで達するようにします。こうすることでじつに1ヶ月で10度も温度が上がったことになり、たいていの幼虫は蛹化スイッチがはいり蛹室の作成が始まってくると思います。蛹室の作成が始まってきたら少し温度を下げて26度程度にします。そして4月中旬には蛹へと変化しますが、大事な最大限に優先される幼虫が蛹になったらさらに温度を下げ23度から24度で羽化まで持っていきます。5月中旬には成虫へと変化していくこととなります。

オオクワガタの飼育は四季に合わせて飼育するのが望ましく、夏に幼虫をとり春先に蛹化スイッチを入れるのが望ましいです。冬に産卵させようとしてもなかなか産卵しないように春から夏以外に蛹化させようとしても暴れたりすることが多くなかなか上手く行きません

個人的にはこれがベストの温度管理だと思っています。この温度管理で前期は1月に33グラム、2月に32グラムの幼虫が出ていますので、あながちハズレではないのだろうと思います。ただこれらの温度管理を一般の方が行うには少々問題があります。菌床は20度前後から低い温度帯になると非常にきのこが発生し易くなると言うことです。暖房設定にして18度程度の室温にしていたら日中暖かく24度まで上がってしまって、夜にはまた18度まで下がったなどの場合はきのこの発生は避けられないでしょう。当ブリードルームは床、壁、天井と断熱材を入れて、エアコンを2台設置して1台を暖房、1台を冷房にて空調管理しています。エアコンの温度を上手に設定することで一日の温度変化を希望温度からプラスマイナス1度に納める事が可能です。一般の方はこのようなスペースはなかなかないでしょうから、皆さん温度管理には苦労しているようです。

そこでいろいろな書籍などやネットの情報など見てみるとたいてい幼虫に冬を感じさせる温度として20度から22度と言われる方が多いです。ほとんどの方がこの温度帯を使用しており実績も多数上げられております。初令幼虫を夏に取りだし、順調に飼育が進み大きな成虫にするためにとても良い温度管理だと思います。私の場合は下の段落で書いていますが、原因は他にあるものの少し不安な温度帯と言うか、一種のトラウマになっているのかもしれません。これらの温度管理は幼虫に季節を感じさせやすくするために初令を夏に取り出すことで有効な方法で春先に取り出してしまうと幼虫の季節感が少しずれる可能性が高く夏場の管理にすこし手こずるかもしれません。20度から22度という冬を感じさせる温度管理においてもきのこの発生は避けられない部分かもしれません。しかしここできのこの発生を抑えるために23度とか24度で管理してしまうと幼虫は冬を感じることができず、冬を感じていないと言うことは春や夏を感じることができない可能性が高くなります。結果として蛹になれない幼虫が多数出現することになります。これをセミ化と言いますが、大型の幼虫に限ってこのセミ化幼虫が出現しやすくなります。ようするにいかにきのこの発生を抑えつつきのこの発生し易い温度帯で管理していくか。ということになります。

私のところではなぜ18度?と疑問を持たれる方も多いかと思いますが、実はこの冬季20度から22度の温度管理で行ったのですが初令を3月4月に取り出してしまったためか、夏頃から冬の温度帯に設定する羽目になり大型の幼虫が蛹にならないと言う大失敗をしてしまったのです。取り出したのが早かったので幼虫にとっての四季がズレて、おまけに夏に温度を下げ、低温期間が長すぎたため夏や冬を感じることができなかったために蛹になれなかったのだろうと推測しています。夏に取り出しておけばさほど問題なかったろうにと後悔しきりでした。そこで夏に幼虫を取りだしさらに確実に蛹化する温度として18度近辺にて冬を感じさせる温度帯として設定することにしたしだいです。この18度と言うのは森田紳平先生の著書の中で幼虫は19度を切ると餌の食いが悪くなると言う記述があり、おそらく幼虫は冬を感じているのだろうと推測し、実際に温度を下げていくと19度あたりから下の温度帯では幼虫が活発に行動しなくなる様子が見られたからです。タイムリーなところではBEKUWA19号の中では小島先生がオオクワガタの幼虫は20度未満では蛹化することができないと発表されています。17年度においてはこの温度帯で飼育してきましたが、ほぼ98%から99%程度の幼虫が蛹になっているようです。小島先生は上記の記述の他に13度以上で幼虫は摂食を続け成長すると記載されていますので、活動は鈍いながらも成熟した幼虫にとっては体重を維持または微増させることが可能なおそらく正解の温度だろうと思われます。これらの温度管理で大型の幼虫も問題なく蛹になっており、18年度も同じような管理をしていくつもりです。

私の温度管理はどちらかと言うと1ミリでも大きな個体を作り出すと言うことよりもセミ化幼虫を限りなく減らすと言ったことに少しだけ偏った温度管理かもしれません。


【菌糸ビン飼育3本目】

さて、3本目の菌糸ビンです。メスの場合は現在の菌床だとたいていの場合2本で羽化まで持っていくことが可能です。そこで3本目の必要な場合ですが、2本で羽化までもって行けないような菌床の状態の時3本目へと移行します。タイミングはいつでもかまわないと思いますが、ご使用になっている菌床の持ち具合と相談と言うところでしょう。銚子オオクワ菌床では幼虫が落ち着いているなど状態が良ければ10月〜11月くらいに入れ替えたボトルで5月、6月くらいまで維持可能です。また、どうしても幼虫を掘り出し体重を計りたいときも3本目へと移行することになりますね。温度を上げる時期にビン交換のショックで蛹化を促すと言うことも有効です。一般的に少しでも大きく育てるためにビン交換を減らし幼虫の体重減を押さえると良く言われます。しかし、蛹化を促すために温度を上げ幼虫が暴れたときにビン替えを行い体重を計ると2本目に入れたときよりも体重が減っていることが多いです。しかし羽化してくると体長は減った体重ほどではなく思ったより大きく羽化してきます。と言うことはビン替えによる体重減はさほど気にするほどもなく、成虫の体長には全く影響しないとは言えないまでも気にするほどではないと言うことです。無理矢理二本で羽化させることは飼育費用の削減にはとても有効かもしれません。状態により2本で羽化できる物は経費を抑えつつ羽化させる。よりよい状態で羽化を迎えさせたい個体には3本目を用意する程度のことかもしれません。賛否両論あるかと思いますが、あくまでも私の考えで、元には銚子オオクワ菌床という餌があることが前提になります。

現在3本返しが主流、近いうちに2本返しが主流になってくると思いますが、最終的には幼虫の資質によってうまく使い分けることになると思います。

そしてこの3本目の使い方、温度管理など大型個体羽化へのキーワードになります。まだまだ試行錯誤の連続になると思いますが、2007年3月現在3頭の36グラム幼虫がいます。そのうち1頭と2頭に分け違った温度管理を行っていますが、どうなるか。どちらも成虫にならないと言うことはないと思いますが、もし成虫にならなかったら、まだ36グラムが羽化できる幼虫ではないと言うことになるかもしれません。菌床の力によって大型になったものの遺伝的要素がついてこない。エンジン出力と足回りやブレーキ性能が合わない車といったところでしょう。

この3令後期、おそらく永遠のテーマとなりましょう。

次は蛹から成虫へ

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